オーナーズブックの貸付先代表が破産！返済への影響と元本回収の見通しは？

2019年7月5日、オーナーズブックの貸付先の代表者が破産したことが発表されました。対象となるファンドは「江東区商業ビル第1号ファンド」です。

・貸付先の専門商社（介護）AR社
・担保物件を所有する不動産保有会社
・連帯保証人の2社

上記4社の代表取締役に就任している個人が破産手続きの申し立てを行い、その開始決定通知を受けたことが判明しました。

貸付先からの返済に影響がある可能性は高いが、担保不動産からの元本回収には自信があるということです。加えて「進捗があれば随時報告」「進捗がなくても7月16日前後には経過報告をする」とのことです。

募集開始日	2019年3月1日
募集額	8,010万円
利回り	5.0%
貸付期間	19ヶ月
貸付先	専門商社（介護）AR ※埼玉県八潮市に所在
担保	あり（LTV 74.5%）

スポンサークレジット（貸付先の信用）はリスク大と表示されています。
LTVは74.5%なので十分に回収できる担保設定だと思われます。

・東京都江東区亀戸に所在
・1989年1月に建築
・6階建の商業ビル1棟（地下1階付）
・建築確認は得ておりますが検査済証はない（AR社情報）
・駐車場は現状の利用を前提とすると東京都駐車場条例に違反（AR社情報）
・4階の事務所及び6階の住居に無窓の居室がある可能性
・6階の住居1室が空室となっている他はすべて賃貸中（稼働率98.8%）

色々と問題のある物件ですが「検査済証未取得及び駐車場附置義務違反、並びに無窓（4階及び6階）による換気・採光違反を鑑みた市場性」を考慮したうえで、オーナーズブックは12億6,000万円と査定しています。

オーナーズブックのファンド説明には親会社について「本メーカーは1987年に設立され、過去3期の決算では経常利益・当期純利益を安定的に計上」と書いてありますが、親会社の株式会社サンヒットは2019年5月に粉飾決算で倒産したようです。

代表者は岡野泰山氏です。粉飾危険は15年にわたり、金融債務は21行に対し70億円を超えています。また、粉飾が明らかになった2～3月頃から金融機関のみを対象に私的整理を図っていたようです。

・Google検索「東京都足立区 手芸用品 倒産」で発見
・1987年設立の手芸用品メーカー
・本社：埼玉県八潮市
・登記本社：東京都足立区

・江東区商業ビル第1号ファンド第1回 | 案件に関する状況報告
・江東区商業ビル第1号ファンド第1回のファンド募集ページ（オーナーズブック）
・株式会社サンヒットの倒産速報（帝国データバンク）
・サンヒットの粉飾決算について
・株式会社サンヒットの公式サイト

オーナーズブック初のトラブル発生です。担保査定能力の高さを特徴とするオーナーズブックだけに、今後の回収状況に注目が集まります。

それにしても粉飾決算とは、公開される情報が何も信用出来ません。

今回のお知らせでオーナーズブックは「大変恐縮ですが、直接お問い合わせをいただきましても、皆さまに公表している以上のご回答はできかねますこと、予めご了承のほどお願い申し上げます。」と言っています。

不安になる気持ちはよく分かりますが、オーナーズブックに無意味な負担を強いることは投資家にとってもプラスにはなりません。私からも協力をお願いいたします。

評価	A+	オーナーズブックの公式ホームページ