被害額約8.37億円となった「キャッシュフローファイナンス」の大規模デフォルト事件について詳しく説明します。キャッシュフローファイナンスはmaneoマーケットのシステムを利用していたため、maneoファミリーと呼ばれていました。
2017年2月に第1号ファンド募集を開始したソーシャルレンディング事業者です。
体験型エンターテインメント施設ファンド、テクノロジーファンド、コインランドリーファンドなどの特徴あるファンドを利回り10%前後で募集していましたが、最終的には約8.37億円の貸し倒れを起こしてサービス終了となりました。
サービス名 | Cash Flow Finance |
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運営会社 | 株式会社Cash Flow Finance |
旧住所 | 東京都中央区日本橋1丁目2番10号 |
新住所 | 東京都品川区西五反田7丁目17番7号 五反田第1noteビル 4階 |
創立 | 2016年10月3日 |
サービス開始 | 2017年2月 |
資本金 | 3,000万円 |
代表者 | 代表取締役 根本貴宏 |
2016年10月3日 | 創立 |
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2017年2月28日 | 第1号ファンドの募集開始 |
2017年10月 | 成立ローン10億円突破 |
2018年10月 | 大規模な延滞を発表 |
2020年11月 | 債権譲渡契約の締結を発表 |
債権譲渡に関しては「すでに対象となる動産設備の売却がされているため、これ以上の回収の見込みがない」と発表されました。
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北海道生まれ(1977年) 防衛大学校理工学部電気工学科 卒業 実家の建設業 → 人材紹介会社 → 不動産鑑定事務所 |
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2007年 | ゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパン(2007年~2009年) 不動産・債権投資を中心とした業務 |
2011年 | 株式会社a2media IRを中心とした企業コミュニケーション支援 |
2013年 | JapanREIT株式会社 常務取締役 日本最大のJ-REITポータルサイトJAPAN-REIT.COMを運営 |
2017年 | 株式会社Cash Flow Finance 代表取締役社長 不動産・新規事業・新技術を中心にしたソーシャルレンディング事業 |
ファンド | 未回収金額 | 元本 | 回収金額 | 回収率 |
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体験型エンタメ施設ファンド | 216,586,250 | 228,454,791 | 11,868,541 | 5.2% |
ECOファンド | 199,999,814 | 199,999,814 | 0 | 0.0% |
インバウンド支援ファンド | 132,472,482 | 160,986,591 | 28,514,109 | 17.7% |
テクノロジーファンド | 131,616,807 | 137,994,952 | 6,378,145 | 4.6% |
設備賃貸事業向けファンド | 94,527,316 | 95,499,268 | 971,952 | 1.0% |
子育て支援ファンド | 52,827,141 | 56,488,421 | 3,661,280 | 6.5% |
コインランドリーファンド | 9,227,188 | 188,066,113 | 178,838,925 | 95.1% |
不動産ローンファンド | 0 | 49,960,826 | 49,960,826 | 100.0% |
合計 | 837,256,998 | 1,117,450,776 | 280,193,778 | 25.1% |
U社(体験型エンタメ施設)、TN社(ECOファンド)、F社(インバウンド支援)、V社(設備賃貸事業向け)などが主な最終資金需要者となっています。
テクノロジーファンドは「燃費改善」「感染予防技術」などを1つにまとめています。
・キャッシュフローファイナンス公式サイト
・延滞債権/デフォルト債権一覧
・キャッシュフローファイナンス掲示板
・本人訴訟でトラストレンディングに勝訴!全額賠償を勝ち取る
しかしながら、今般当社は、事業者AHが、4月25日に上記投資用不動産を売却しておきながら、その売却代金を、別のファンドに係る借入金の返済原資に充当した事実を認識いたしました。
現在、本件ファンドに紐づく投資用不動産を事業者AHは所有しておらず、従いまして、5月31日の利払いの原資となる賃料収入も得られない以上は、最終返済日が7月1日のローンにつきましては、延滞として取り扱うことが適切な状況にあるとの判断に至りました。
このファンドは現時点では完済となっていますが、「別のファンドに係る借入金の返済原資に充当」とハッキリ言っています。これは明らかな違反行為です。
しかも、AH社とキャッシュフローファイナンスは共に根本氏が運営している企業です。それにも関わらず他人事のように「事業者AHが、4月25日に上記投資用不動産を売却しておきながら、その売却代金を、別のファンドに係る借入金の返済原資に充当した事実を認識いたしました」と言っている点に違和感を覚えます。
根本氏に悪意があったのか?それとも能力不足だったのか?
私には確認のしようがありませんが、現時点での焦点は以下になります。
・募集時に嘘をついていたか?
・募集時に公表すべき情報を隠していたか?
・最終資金需要者(企業)は今も経営を続けているのか?
・ファンド募集時の資金用途以外の資金使用はなかったか?
ユーザー様からのリクエストにより今年最後の記事は「キャッシュフローファイナンス事件を完全解説」になりました。当サイトらしい締めくくりになったと思います。
2021年も油断せずに堅実な投資を続けていきましょう。
2021年は1月7日(木)に記事追加を予定しております。
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