トラストレンディングとの本人訴訟で勝訴したMさんから記事を寄稿していただいたので転載いたします。証拠として私の方で判決文を確認しています。
Mさんへのインタビューもあります。
集団訴訟では「みんなのクレジット」が今年6月30日、投資家22人に約9,300万円の全額返還を命じられているが、一連のソシャレン訴訟で弁護士を立てない本人訴訟での勝訴は初めてとみられる。
エーアイ社は元財務省の山田貢氏、元国土交通省の山本淳氏、元防衛相の渡邉一浩氏など元官僚を役員に招き、元官僚のコンプライアンスや政府とのコネクションを全面に出し、主に公共事業で年利12~15%%の利回りを出すファンドを設定、全国の投資家約2,000名から52億円を集めた。
その後高速道路建設、除染など各ファンドが架空と発覚し、2019年2月に金融庁・関東財務局から当時初となる第二種金融商品取引業の登録取消処分を受けた。処分を受けエーアイ社は52億円の回収に努めていると主張、貸付先に回収、返還を求め訴訟を現在も訴訟を行なっているが投資家への返金はなく、52億円を流出させた建設会社や山本幸雄元取締役など関係者に対し、刑事告訴や被害届提出などは一切行っていない。
また裁判記録から、52億円の被害額のうち34億円については5千万円しか請求しておらず、残り33億5千万円は事実上エーアイ関係者に譲渡する見込み。
男性会社員は「エーアイ社は『架空のファンドと分かっていても投資したかもしれないから、投資家に責任がある』『ファンドは架空だが、関係書類は社判が押された本物なので、それに基づくファンド自体は違法でなく、騙す意思はなかった』などトンデモ主張を展開しており、本人訴訟でも勝訴出来る余地は十分にあった。
控訴される可能性もあるが、早く平穏な生活に戻れるよう戦い抜きたい」としている。
2019年3月8日の関東財務局による行政処分では「高速道路ファンドにおいて大手ゼネコンJVから発注を受けていない」と発表されています。
◎本人訴訟で勝訴するにあたって特別なスキルはありましたか?
◎他の被害者さん達も本人訴訟をしていくべきでしょうか?
◎本人訴訟をする方(している方)にアドバイスをお願いします。
弁護士は「匿名組合契約とは・・・」「商法○○条によれば・・・」など難しいことを言ってきますが、知ったかぶりせず「どういうことですか?」と素直に裁判官や相手弁護士に聞いて下さい。ここで見栄を張ると致命的なミスに繋がります。
実際「この件については、当然ながらMさんご存じですよね?」と相手弁護士から振られたことがあり、ここで「はい」と言ってたら後に危ないことになっていました。
やはり弁護士の法的知識はすごいので、法律論で勝負せず「書類はたくさんあるようですが、工事の現地確認はしたのですか?」「なぜ松本社長は姿を消しているのですか?」など、法的知識ゼロでも「おかしいぞ?」と一般人が感じるところを、上手く伝えていくべきでしょう。
◎トラストレンディングでの被害額はいくらでしょうか?
◎賠償金の回収計画を教えてください。
◎今後のトラレン関係の予定(計画)を教えてください。
◎サイト運営者が「被害者に不利になるので注意すること」を教えてください。
◎今後もソーシャルレンディングに投資しようと思いますか?
◎ソシャレン被害者の方々にメッセージをお願いします。
あと、本件について家族や友人には当初から「絶対取り返してやる!」と伝えてましたが、誰も軽蔑やバカにする人はいませんでした。
ネットなど見えもしない世間の目を恐れ、恥ずかしいと思ったり泣き寝入りしないでください。そういう人間の方が、家族や友人から軽蔑されるのではないかと私は思います。
[追加] maneoに対する訴訟へのアドバイスをお願いします。
トラレンは「我々も騙されていた」「貸付先と契約時の書類は社判が押されたもので本物だから、それに基づくファンドは違法でない」「約款に『現時点での情報であり、正しいと当社が保証しているわけではない』と書いてあるので嘘はついていない。投資家に責任がある」など主張していましたが、これらは全てファンド募集時までの話です。
ところが、ソシャレン業者として何億円も貸してる事業なのに、現地の状況確認を1回も行わずほったらかしというのはあまりに不自然なわけで、そこに東京地裁は悪意または重過失を認めてくれたものと考えます。
もし状況確認の一つでもして、実態が架空だったり乖離があれば、早期にファンドを廃止し返金が出来、更には刑事告訴など司直を介入させることも可能なわけですから。
またmaneoもトラレンも金商の登録を有し、与信調査など貸金業のノウハウを有しているはずで、調査したことを証明する資料は持っていなければならないはずです。
トラレン裁判では「公共工事では施工台帳という、関係者なら現地に行けばほぼ誰でも見られる、公開が義務付けられている書類があるんですが、見ましたか?」という質問をしましたがノーコメントでしたね。
あと、裁判では絶対に「詐欺だ!」と主張してはいけないでしょう。裁判所は詐欺を認定する場ではないので、その主張に応えられない裁判所が下す判決は「請求を棄却する」へ一直線です。この辺りが、maneoに限らず全てのソシャレン本人訴訟で意識しておくべきことでしょうか。
Mさん、ありがとうございます。
一方で下記のような意見も届いています。
・本人訴訟で勝訴をすることは簡単なことではない。
・簡単に勝てると投資家の皆さんが誤解をすることがあってはならない。
・勝訴した場合でも回収の方針(計画)が必要になる。
・素人の行動が刑事訴訟の妨げになる可能性もあるので注意して欲しい。
様々な立場からの意見がとても勉強になりました。
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ご丁寧にご回答いただき、ありがとうございました。
やはりトラレンは支払いませんでしたか。。。状況お察しいたします。。ただMさんはすでに勝訴されて執行可能な債権をお持ちの状態にありますし、本人訴訟で勝訴される力量をお持ちであれば強制執行も何とかされるのではないかと思っています。
財産開示請求が民法改正で使いやすくなったと聞いているので一つの方法かもしれませんよね。(他にももっといい方法はあるかもしれませんが。)
無事回収されることを祈念しております。
記事に回収計画についてのMさんの回答を追加しました。
≪Mさんの回答≫
今までの私が行ってきた本人訴訟では、負けた企業はみな判決が出た瞬間、ほぼ当日に入金してきました。今回のように敗訴しても未だ払われないケースは初めてなので、これからネットで調べ、無料法律相談に行き、法的知識を持つ友人に相談し、次に行く裁判で窓口に聞くなど誰でも出来ることからコツコツ実行していこうと思います。
一方で差し支えない範囲で教えていただきたいのですが、回収はどのようにご計画されているのでしょうか?みんくれなどの集団訴訟を調査する限り、最初から仮差押えをかけて回収資金を確保していたようですが、本人訴訟でもそこまでされていたのでしょうか?控訴審で判決が覆ることはほぼないと思いますが、判決が確定してもトラストはおそらく任意で支払いをしてこないと思いますので心配しております。また、私も自分の被害案件にいおいて、その点について頭を悩ませています。
これってどういう意味ですか?どういうロジックで出資金がAI関係者に譲渡されるのか理解できません。
さらっととんでもない事が書かれている。。
この悪質性の高さは充分に実刑の刑事罰に相当するのではないでしょうか。