取引銀行から仕組債を提案されたのですが、どうにも怪しいイメージがあるのでお断りしました。せっかくの機会なので詳しく調べてみます。
上のバナーはSBI証券で募集している仕組債です。
不慣れな投資家が見ると、
発行体である「クレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメント・バンク」の債権は2017年発行の4年ものでは年利0.5%でした。
差分の利回りはどこから発生しているのでしょうか?
仕組債 = 債券 + デリバティブ
オプションやスワップなどのデリバティブ(金融派生商品)を組み込むことで、通常の債券とは異なる収支を持つようにした債権です。
運用結果は以下の3パターンに分類されます。
① 指定条件Aを超える(ノックアウト) → 償還日よりも前に額面金額で償還
② 指定条件Bを下回る(ノックイン) → 償還日に額面金額以下で償還
③ 条件Aも条件Bも達しない → 償還日に額面金額で償還
商品名のイメージとは異なり、債権としての性質はほどんどなく、収支のほとんどはオプション取引によるリスクを負うことに起因します。
上記はWikipediaからの抜粋です。極めて恐ろしい内容となっています。
私なら絶対に購入しません。
① 大きな販売手数料が手に入る(投資家からコストが見えづらい)
② 債権の低リスクなイメージと高利回りの両方をアピールできる
つまり、「リスクを小さく見せやすい」「表面的には高い利回り」「販売手数料が大きい」となれば積極的に売らない理由はありません。
銀行の営業さんなどは仕組債をよく理解していないので、罪悪感がないまま投資リテラシーの低い高齢の経営者に販売しているようです。
一般投資家は証券会社が売り出す公募仕組債に投資しますが、富裕層は希望する条件に応じてオーダーメイドで発行される私募仕組債に投資することが可能です。
私募仕組債に投資するには最低1,000万円から、完全オーダーメイドの場合は5,000万円からと言われています。私が地方の証券会社に相談したときは最低3,000万円だと言われました。
予想していた通り、残念な金融商品でした。
特に債権の低リスクなイメージを利用している点があくどいです。
一般投資家は複雑な仕組みの金融商品を買わないことをおすすめします。
特にデリバティブ(オプション、スワップなど)を絡めたものは避けてください。
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オーダーメイドですと、目標利率は自分である程度設定できるものなんでしょうか?興味あります。
仮に年7%を狙うなら日経平均でどんな条件になるんですかね。
もしシミュレーションできるなら教えていただけると嬉しいです。
> 9747さん
貴重な情報ありがとうございます。
5,000万円×2口なんて凄いですね。
私も完全オーダーメイド仕組債は悪くないのではと考えています。
> 9735さん
QYLDの情報ありがとうございます。
カバードコール戦略、面白いですね。
売りオプションでリスク分の利益を狙うのは納得感があります。