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ソーシャルレンディング投資における不動産担保付き案件の注意点

投稿日:2018年8月3日 | 執筆:カナメ先生
ここがポイント!
  • 担保について詳しくなることがソーシャルレンディング攻略のカギ。
  • 不動産担保があれば貸し倒れ時の損害を軽減することができる。
  • LTVは不動産担保の基本なので絶対に覚えておくこと。
  • 事業者が嘘の情報掲載をしている可能性を常に頭に入れておくこと。

先日、SBISLの延滞連絡を受けたカナメ先生ですが、不動産担保付き案件だったこともあり、安心して回収結果を待っている状況です。

このようにリスクの高いソーシャルレンディングだからこそ、担保が付いていれば最悪の事態を避けることができます。ただし、一概に「担保付き案件」と言っても様々な落とし穴があるので注意してください。

担保の基本はLTV

LTV(Loan to Value)とは、融資額を担保評価額で割った指標です。
担保分析の際はLTVを目安にします。

担保評価額融資額LTV
1,000万円1,200万円120%
1,000万円1,000万円100%
1,000万円800万円80%
1,000万円600万円60%

上の表を見ると分かるように、担保評価額に対して、融資額が小さいほどLTVの値も低くなります。つまり、LTVが低いほど安全性が高いということになります。

「評価額」と「実際に売却できる価格」というのは異なります。個人的な感覚ですと、理想を言えば70%以下が望ましく、現実的には80%以下なら妥協しています。

評価額の計算方法

不動産の評価額にはいくつもの調べ方があります。代表的なものを紹介します。

実勢価格実際の売買契約が成立した価格を参考にする方法。
国土交通省が公表している情報を使います。
公示地価国家機関が定期的に評価している公的地価を参考にする方法。
固定資産評価額毎年課税されている固定資産税を参考にする方法。
鑑定評価額不動産鑑定士に算定を依頼する方法。

不動産評価額を水増しするのは簡単なことですので、安易に信用してはいけません。各ソーシャルレンディング会社は、信頼性の高い外部機関を利用したり、複数の評価額の安い方を採用するなど、投資家からの信頼性を高める工夫をしています。

結局は事業者リスクがあることを忘れないこと

投資家が参考にするのは、基本的にはソーシャルレンディング会社が掲載している情報のみです。1案件ごとに時間をかけて裏付けを取っている余裕はありません。

そのソーシャルレンディング会社が嘘の表記をしていた場合、評価額やLTVについてどれだけ考えたところで無意味です。担保分析の前に事業者の信頼性を確保しなければいけません。

事業者リスクを見極めるには、定性的な判断力(数字では表せない情報に基づく判断)が必要です。

例えば以下のような考え方です。

「この人の周りはグレーな商売を意に介さない人がたくさんいる」
「この人は前科が付いたとしても、数億円のお金を手に入れば満足しそう」
「この人の経歴や能力だと、数億円のお金を奪うより前科が付く方の損失が大きい」
「これだけ条件のよい担保を持っていて12%の金利でお金を借りるのは変だ」

実際にいくつかの案件で担保分析を行ってみます

下記の情報は各サービスごとにランダムに選んだ案件を分析してみただけですので、各サービスの信頼性を総合的に判断するものではありません。

SBISL
不動産バイヤーズローンファンド 16号
6.5% / 12ヶ月 / 抵当権第1順位 / LTV:73.68%

評価方法は「弊社独自の基準」とのことです。SBIグループであれば信用することができます。2018年8月3日現在、実際にこの案件は延滞を起こして、担保売却を進めている最中です。

maneo
不動産担保付きローンファンド 1588号
6.1% / 14ヶ月 / LTV:計算不能 / 極度額の4,000万円まで融資予定

・物件1:評価額 3,400万円:抵当権第2順位
・物件2:評価額 1億4,850万円:抵当権第4順位

両物件の合計評価額は1億8,250万円です。評価には外部のTASというサービスを利用しています。先順位(他者による第1順位)に1億1,200万円の抵当権が設定されています。

これ以上の詳細は掲載されていません。穿った見方をすれば、物件2は第4順位なので1円も回収できない可能性があります。物件1から回収できたとしても満額回収は難しいでしょう。

クラウドバンク
不動産担保型ローンファンド 第168号
6.4% / 11ヶ月 / LTV:不明

LTVの表記はありません。抵当権順位の表記もありません。場所は「神奈川県横浜市」です。用途は「当該資金を用いて土地購入と造成する」とのことです。返済が遅延した場合、不動産を売却することで満額回収することは難しいでしょう。

オーナーズブック
渋谷区マンション第2号ファンド 第7回
4.5% / 26ヶ月 / 抵当権第2順位 / LTV:80%

評価方法は「外部専門家による査定額を参考」とのことです。場所は「東京都渋谷区」です。そこそこの保全性があります。利回りは低めですが、期間が長いのは楽で良いです。

カナメ先生
この記事を書いた人
21歳から投資をはじめて投資歴23年。ソーシャルレンディング歴9年。運用資産4億円以上。
IT会社経営、薬局経営、新築アパート投資、株式投資、REIT投資、クラファン投資などの幅広い経験が武器であり、「凡人なりに出来ることをコツコツと堅実に行うこと」がモットーです。
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