ソーシャルレンディング投資における詐欺見極め力を高めるため、米国史上最大の金融詐欺の運営者である「バーナード・L・マドフ」氏について解説します。
1980年後半から2008年頃に行われた大規模金融詐欺事件です。
「年20%近い利回りを保証する」などと虚偽の内容をうたい、投資家から巨額のお金を騙し取りました。2008年11月30日時点で、4,800人の顧客口座、648億ドルと発表されています。
投資家から集めたお金は、投資ではなくポンジ・スキームに使われていました。
ケヴィン・ベーコン
ジョン・マルコヴィッチ
スティーブン・スピルバーグ
ノルマン・ブラマン
フレッド・ウィルポン
エズラ・マーキン
ロイヤルバンク・オブ・スコットランド
BNPパリバ(フランス)
サンタンデール(スペイン)
野村證券
住友生命保険
三井住友生命
一般投資家やセレブだけでなく、金融のプロや金融機関まで騙されていました。
数十年間もの間、マドフ氏は卓越した資金運用能力を持っていると投資家から信じられており、マドフ氏の投資運用会社はNASDAQの3大立役者と見なされていました。
・1938年4月生まれ(ニューヨークでユダヤ系アメリカ人の家庭に生まれる)
・アラバマ大学(1年間)、ホフストラ大学(転校)で政治学の文学士号を取得
・大学時代に学生結婚をする
・1960年にペニー証券会社を設立(後のバーナード・マドフ投資証券)
・NASDAQ株式市場の非常勤会長を務める
・全米証券ディーラー協会(NASD)の取締役会の議長を務める
・ロンドン証券取引所における初の米国人メンバーの1人
・2008年12月に逮捕される
・2009年6月にアメリカ地方裁判所に150年の禁固刑の判決を下される
高学歴で家庭を持ち、信頼性の高い地位(NASDAQ会長など)に就いていました。
また、とても魅力的な人柄であったと言われています。
・高利回りに不信を抱いていた人はいた
・大手監査法人が入っていなかったことに不信を抱いていた人はいた
・告発者であるマルコポロスは詐欺発覚の10年前からSECに苦情を入れていた
1992年以来、政府機関であるSEC(米国証券取引委員会)によるマドフ氏の調査が6回行われています。つまり、その頃から不審な点や苦情はあったということです。
しかし、調査スタッフの力不足により不正が暴かれることはありませんでした。
特定の人にとって「明かな詐欺」であっても、公的機関が調査に成功するまでは被害が拡大し続けるという事実を物語っています。
詐欺に騙されないために「高利回り」だけを気を付ければよいのかというと、決してそのようなことはありません。
マドフ氏による投資詐欺商品もヘッジファンドのなかでは堅実性を売りにしており、その利回りの低さがポンジスキームを行いやすくしていました。
私の信用分析は「人物の経歴」や「社会的立場」を重視しているため、マドフ氏の詐欺を見抜けなかった可能性はあります。
もし気付けたとしたら
車の運転は「慣れてきた頃がもっとも危ない」と言います。
ソーシャルレンディング歴が長くなってきたからこそ、「騙されない人はいない」という前提で慎重に投資していきたいと思います。
クラファン事業ごとの分配金スケジュール一覧!毎月、四半期、一括など | ||
利回り10%以上が当然!ヤマワケエステートの高利回りに釣られてもいいのか? | ||
大人気「AGクラウドファンディング」の現況分析!利回り4~6%は美味しい | ||
2024年のソーシャルレンディング&不動産クラファン投資で気を付けること | ||
COMMOSUSの新規登録ユーザー必読!申込キャンセルの罠を回避する方法 | ||
全記事の一覧 |