不動産ファンドに投資するものとしては絶対に知っておきたいJ-REIT関連の不祥事を解説します。
2022年7月にエスコンジャパンリート投資法人を運用するエスコンアセットマネジメントが、金融中から3ヶ月間の業務停止命令を受けました。
業務停止命令の理由は、親会社である日本エスコンから不適切な価格で物件を購入したというものです。
日本エスコンは不動産をREIT(エスコンジャパンリート投資法人)に高値で売却したいと考えました。しかし、当然のことながらREIT側には「外部の不動産鑑定業者の評価額を上回る金額では購入しない」という決まりがあります。
実際に3物件が日本エスコンが希望する売却価格に届きませんでした。
そこでエスコンアセットマネジメントは日本エスコンの売却希望価格を鑑定業者に伝え、鑑定評価額が上回るように働きかけました。
つまり、不正な手段を用いて、J-REITの投資家に損失を与え、親会社の利益を優先したのです。
日本エスコンは中部電力の子会社で東証プライム上場企業です。
2021年12月期の決算では、売上高790億円、営業利益103億円、自己資本622億円という好業績をあげています。
これほどの規模の企業であっても「J-REIT業界全体の信頼性を下げるような不祥事を起こしてしまう」ということを行ってしまうのです。
日本エスコンは2022年1月にFUELを完全子会社化しています。
すっかりFUELによるファンド募集が行われなくなったことには、この不祥事が関係しているのだと思われます。
J-REIT運用会社への業務停止命令は2007年のダヴィンチ・セレクト以来です。
当時のダヴィンチ・セレクトの代表は金子修氏です。
金子氏はLCレンディング運営会社の代表も務めていました。
投資商品ではどうしても見えない部分で不正が起こりやすくなっています。
不動産クラファン運営会社には「鑑定業者の名称」も含めて、出来るだけ透明性を高めてほしいと思います。
「契約成立前説明書に載っている」という姿勢ではなく、ファンド説明ページに記載することが大事です。
投資家側としては「投資物件の良し悪し」「ファンドの条件」以上に運用会社の信頼性を重視するようにしてください。
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