カナメ先生
大事な資産を年3~5%で増やす技術を学ぶ場所
ソーシャルレンディング投資の学校
ブログ(1029)掲示板SL事業者ランキングファンド検索運営者紹介ふどクラ研究所

ガイアファンディングセレクトファンド延滞案件は約2年間も開発許可が取れていない

初回:2018年11月2日 | 更新:2018年11月3日 | 執筆:カナメ先生
2018年11月1日、maneoが「ガイアファンディングセレクトファンド164~168号」で延滞が発生したことを発表しました。

延滞対象ファンドと規模

対象ファンド 延滞元本 借手 貸付実行日
ガイアファンディングセレクトファンド164号 2,200万円 AU社 2018年6月1日
ガイアファンディングセレクトファンド165号 2,200万円 AU社 2018年6月1日
ガイアファンディングセレクトファンド166号 2,200万円 AU社 2018年6月1日
ガイアファンディングセレクトファンド167号 2,200万円 AU社 2018年6月1日
ガイアファンディングセレクトファンド168号 2,200万円 AU社 2018年6月1日

AU社から2018年9月28日まで遅滞なく返済を受けていたが、最終返済日である10月29日には利息の支払いのみで元本の返済がされなかったようです。

経過説明・回収の見込み

対象ローンについて返済期日が到来いたしましたが、貸付先の事業者AU社より、最終資金需要者(米国の不動産事業者)の返済原資となる開発案件の売却が、期日までに成就できない旨の報告がありました。

本案件の対象不動産所在地は、カリフォルニア州都サクラメントに近い、エルクグローブ地区です。11戸のファミリー向け戸建て住宅を新築するプロジェクトにおける、開発許可申請・建設準備のための資金として募集・融資いたしました。

現在、開発許可の取得申請中で、許可がおり次第、マーケットにて売却の予定ですが、期日までの売却・返済に至らず、延滞となりました。

【maneoホームページより引用・経過説明】

事業者AU社からは、下記2点の報告を受けております。

(1) 開発許可の取得時期は、年内の見込みであること。
(2) マーケットでの売却は、開発許可取得後3か月程度を想定していること。

【maneoホームページより引用・回収の見込み】

「年内の見込み」「3ヶ月程度を想定」といった言葉は全く当てになりません。

不安の多い担保なしリファイナンス案件

ガイアファンディングセレクトファンドのスキーム図

この案件は不安な点が多いです。

そもそも「担保がない」「リファイナンス案件」「ノンリコースローン」というだけで非常にハイリスクです。いつになったら開発許可が下りるかなんて分かりません。

唯一の救い(?)は「利息だけは最終日も払われていること」だけです。次回の利息および遅延損害金が払われるのか、毎月末はドキドキすることになりそうです。

借り換え元となる案件を調べてみました

期間 ファンド名 借手 募集総額 利回り
2016年3月~2017年1月 中期プレミアム
ローンファンド18号
I社 1億680万円 10%
2017年1月~2017年9月 カリフォルニア
ローンファンド16号
I社 1億331万円 10%
2017年1月~2017年9月 ガイアファンディング
セレクトファンド38号
AU社 7,000万円 9%
2017年9月~2018年6月 カリフォルニア
ローンファンド73号
I社 1億331万円 10%
2018年6月~2018年10月 ガイアファンディング
セレクトファンド164号
AU社 1億1,000万円 8%

これで全案件かは分かりませんが、期間は繋がりました。
ガイアではI社、maneoではAU社と呼ばれています。
次は時系列で解説をしていきます。

2016年3月仕入れ資金(土地の購入、許可・用途の申請、建築の準備等)の融資を開始。計1億680万円。
2017年1月土地の購入、許可・用途の申請、建築の準備等は既に完了。ガイアで募集した1億331万円は借り換え融資で、maneoで募集した7,000万円は工事費ということでしょうか?
2017年9月ガイアで借り換え融資。
2018年6月maneoで借り換え融資。
2018年11月maneoから延滞の発表。

少なくとも2017年1月以前には申請が終わっているため、約2年間は何も進んでいないことになります。このような状態で「年内に開発許可が取得できる見込み」と言われても信用できません。

元々はガイアの案件だったものが、最終的にmaneoの案件(セレクトファンド)での延滞になってしまったのは残念なところです。

また、maneoのセレクトファンドは同条件(同リスク)にも関わらず利回りが低いのですね。セレクトファンドには絶対に投資しないように気をつけます。

投資妙味のない案件

延滞発生後に言うのも何ですが、この案件に関しては上でも述べたように「担保がない」「リファイナンス案件」「ノンリコースローン」という悪条件が揃っています。さらに海外案件でもあります。この条件で利回り8%だと投資する理由がありません。

関連記事:ガイアファンディング

ガイアファンディング遅延事件の完全解説&最新情報
maneoが「ガイアファンディングに対する訴訟と延滞案件の経過報告を報告」
ガイアファンディングで約2.7億円の延滞!詳細情報と見解
海外不動産案件の開発許可とガイア延滞案件について調べてみました
遅延率12.8%で危険信号!ガイアファンディングで遅延がまたもや発生
ガイアファンディングで42億円を超える遅延が発生!全ファンドが期失
ガイアファンディング掲示板

カナメ先生
この記事を書いた人
21歳から投資をはじめて投資歴23年。ソーシャルレンディング歴9年。運用資産4億円以上。
IT会社経営、薬局経営、新築アパート投資、株式投資、REIT投資、クラファン投資などの幅広い経験が武器であり、「凡人なりに出来ることをコツコツと堅実に行うこと」がモットーです。
ソーシャルレンディング格付けランキング
ブログの同カテゴリ記事一覧

トラストレンディング事件で完全勝訴!ソーシャルレンディングの闇を暴く
オーナーズブック「大阪市延滞ファンド」の第18報!売買契約&決済完了でほぼ決着
オーナーズブック「大阪市延滞ファンド」の第17報!驚きの決済不履行
オーナーズブックの大阪市中央区ホテル素地が売却!回収率は何%になったのか?
パチンコ大手「ガイア」が民事再生!クラファン投資家の15.2億円の行方は?
全記事の一覧

一言掲示板 : 情報交換、改善希望、質問など
[783] しんじ(2018-11-03 17:51:26)
これは、投資するほうに責任ありますね。
なんでこんな案件に投資するんですか?
[767] no name(2018-11-03 12:18:51)
>2年間も開発許可が取れていない
通常はどのくらいで取れるものなんでしょう?
[766] no name(2018-11-03 11:42:38)
今まではなぁなぁで延ばし続けてきたのが、GILの一件以降そういうわけにもいかなくなってきたのかな。
投資する側も、漫然と投資し続けて案件の精査をしてこなかったツケでもあるのか…
[765] no name(2018-11-03 11:35:55)
少なくとも2017年1月以前には申請が終わっているため、約2年間は何も進んでいないことになります。このような状態で「年内に開発許可が取得できる見込み」と言われても信用できません。
→その通りですね。
投資前に気づく事は十分に出来たはずです。
被弾した方は反省しましょう。
[762] カナメ先生(2018-11-03 09:07:22)
ほとんどの場合、案件概要の序盤に書かれています。
「借換資金=リファイナンス」です。

[maneo]
https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=5152
「事業者AUに対する融資金(借り換え資金)として」と記載してあります。

[ガイア]
https://www.gaiafunding.jp/apl/fund/detail?fund_id=283
「開発期間延長に伴う借換え資金を募集」と記載してあります。

[759] 素人です(2018-11-03 00:01:44)
どこでリファイナンスと判断すればいいのですか?
[754] お(2018-11-02 22:02:09)
もう駄目じゃないすかマネオ笑
[751] カナメ先生(2018-11-02 16:46:38)
この案件の借り換えですね。明日、追記します。
https://www.gaiafunding.jp/apl/fund/detail?fund_id=283
ソーシャルレンディング格付けランキング
Twitter