私たちが不動産に投資するためには、以下のような選択肢があります。
・現物不動産
・不動産投資型クラウドファンディング
・J-REIT
・私募REIT
今回は誰でも投資しやすい「不動産投資型クラウドファンディング」と「J-REIT」の違いを説明したいと思います。
不動産投資型クラウドファンディングとJ-REITの違い
最も大きな違いは「証券市場で売買できるかどうか」です。J-REITの銘柄は株式と同じように証券会社を通していつでも売買することができます。
それに対して不動産投資型クラウドファンディングは購入すると運用満了後まで返金されません。購入もファンド募集を行っている期間のみになります。
不動産投資型クラウドファンディングの長所
リスクが低い(優先劣後方式の採用)
不動産投資型クラウドファンディングは優先劣後方式という「運営会社が1~3割の損失を優先して引き受けてくれるシステム」を採用しています。不動産価格が運用期間内(1~2年程度)で3割以上も落ちることは考えづらいため、リスクの低い投資商品だと言えます。
計画的に利益を積み重ねることができる
J-REITのように日々の価格変動がないため落ち着いて投資を続けることができます。年4.0%という利回りでも、複利の力を活かせば30年間で3.24倍になります。
物件を選べる楽しさ
不動産投資型クラウドファンディングは1つの物件に対して投資を行うため、物件を自分で選んでいる実感があります。将来的に現物不動産投資を検討している人にとって、非常に良い勉強になります。
少額で参加できる
J-REITは数十万円単位で投資できる銘柄が多いことに対して、不動産投資型クラウドファンディングは1万円単位で投資することができます。投資資金が少ない人にとっては嬉しい特徴です。
J-REIT(日本版不動産投資信託)の長所
タイミング次第で大きな利益を得られる
株価変動があるため短期間で20~50%の利益を得られることがあります。
逆に考えれば短期間で20~50%の損失が発生することもあります。
自動でレバレッジをかけられる
ほとんどのJ-REIT銘柄が銀行から総資産の40~50%程度の借入を行っています。つまり、投資家は1.8~2.0倍のレバレッジをかけているということになります。J-REITの利回りが思いのほか高い理由はレバレッジ効果です。ただし、レバレッジをかけているのでリスクも高くなります。
いつでも現金化できる
J-REITはいつでも現金化できるメリットがあります。
しかし、現金化が必要な状況で投資することはおすすめできません。
分離課税なので高所得者に有利
不動産投資型クラウドファンディングは総合課税なので税率は15~55%(所得税+住民税)になります。高所得者には厳しい税率です。J-REITであれば20%の分離課税です。しかも、NISA口座を使えば毎年120万円の非課税枠が利用できます。
不動産クラファンに向いている人・J-REITに向いている人
不動産クラファンに向いている人
・長期計画に沿って取り組みたい人
・株価変動に一喜一憂したくない人
・リスクを下げたい人
・不動産の知識を付けたい人
・投資資金が少ない人
J-REITに向いている人
・大きな利回りを狙いたい人
・株価変動に動じない人
・税率の高い高所得者
・買いっぱなしにしたい人
カナメ先生の見解
1ヶ月ほどで東証REIT指標は2,200円から1,550円に約30%ダウンとなりました。
結果論になってしまいますが、この期間にJ-REITではなく不動産投資型クラウドファンディングに投資していた人はラッキーだったと言えます。
今なら下落前の30%割引でJ-REITを購入することができます。
私としてはこのような状況下ではJ-REITに資金を移動させていくことが好ましいと考えています。例えば、J-REITと不動産クラファンの比率を「5対5」にして、REIT市場がさらに下落したらJ-REITの比率を高めていく戦略が考えられます。
投資家の性格面での向き不向きもありますが、不動産クラファンとJ-REITの特性を組み合わせて安定性の高いポートフォリオを構築することをおすすめします。
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