大規模遅延の詳細は11月2日の記事(↓)を読んでください。
「maneoで20億円を超える大規模延滞!貸し倒れは避けられない状況」
今回の遅延で問題視されているのが不動産担保評価です。maneoでは「担保物件は、業者買取価格の約75%程度であり、保全について問題ない」と言っていましたが、元本割れ濃厚となっています。
アルデプロ絡みとされる評価額約16億円の物件は、近隣住民に「数年前から人の出入りがない。こんな山中の物件を買う人がいるのか」と言われているそうです。
詳しくは東京商工リサーチの
「ネット融資仲介maneoの組成ファンドが返済を延滞」
という記事に載っています。
遅延した案件は一見すると「利回り5.2%~6.2%の不動産担保付き」と、なかなか手堅い案件に思えます。しかし、実際にリクレ社(C社)がCU社に対して何パーセントで融資していたかは分かりません。
「リクレ社が何パーセントで貸そうが投資家には関係ないよね?」
「SBISLの不動産担保ローン事業者ファンドだって同じだよね?」
と思うかもしれませんが違います。
その違いは「ノンリコースローンであること」です。
SBISLの場合は不動産担保ローン事業者が最終貸付先に何パーセントで貸そうが関係ありません。リスクは不動産担保ローン事業者が取るためです。
maneoの場合はノンリコースローンであるため、リスクはリクレ社ではなく投資家が背負います。貸し倒れが起きてもmaneoに担保不動産を渡すだけで契約終了です。
仮に最終融資金利が15%だとすると、投資家の取り分が5.2%、maneo+リクレ社の取り分が9.8%になります。しかも、maneoとリクレ社にはリスクがありません。
さすがに15%というのは穿った見方であり、実際はもっと低い融資金利だと信じたいところです。しかし、maneoのリクレ社案件において「利回り5.2%の手堅い案件に投資したはずが、実際には金利15%のリスクを背負っていた」という可能性があることは事実なのです。
遅延案件はこのように段階的な利回りを設定していました。このような募集方法自体は「投資家にリターンとリスクの関係を意識させる良い取り組み」だと思います。
しかし、このような事態になってしまうと
ノンリコースローンは「他人のお金でギャンブルを行える」ような性質を持っています。ノンリコースローンが適した場面もあるかもしれませんが、融資ビジネスに不慣れな私としては「ノンリコースローン案件は無条件で避ける」ぐらいの慎重さでソーシャルレンディング投資に取り組んでいきたいと思います。
また、法人というシステムを利用すれば「ダメだったら会社(法人)を潰せばよい」という、ノンリコースローンと同様のスキームが使えてしまいます。
それを避けるためには、「ノンリコースローンでないこと」と同時に、「簡単には潰せない会社に投資すること」も心掛ける必要があります。
SBISLの「SBISL不動産担保ローン事業者ファンドPlus」では、融資先企業を以下の条件を満たす企業に絞っています。
(1) maneo金利(手数料)はいくらだったのか?
(2) リクレ社からの貸付金利はいくらだったのか?
(3) 利息立替分は担保売却額からリクレ社に返されるのか?
知っている方がいましたら情報提供お願いします。
読者さんから「瀧本氏は全国賃貸住宅新聞のインタビューで『事業者への金利は15%』と明言されています」という情報をいただきました。
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瀧本氏は全国賃貸住宅新聞のインタビューで「事業者への金利は15%」と明言されています。
http://www.zenchin.com/witht/post-292.php
瀧本 当社は不動産を担保にして事業者に貸し付けを行っています。<中略>事業者への金利は15%で、利益を投資家に分配します。投資期間は10カ月間ほどで投資家への分配利回りは5~8%がメーンですね。<後略>
あと契約書に質権の劣後の話が明記されていないのはいいのだろうかは疑問です。
担保は根抵当権1位だけで劣後しているのは質権なのだが
契約書には担保の話しかみあたらない