決算短信の定性的情報欄には「当社従業員が顧客から提供を受けた預金残高データを改ざんし、実際より多く見せて金融機関に提出し、融資審査を通りやすくしていた事実が判明」という一文が掲載されていました。
項目 | 2017年3Q | 2018年3Q |
---|---|---|
売上高 | 158億円 | 134億円 |
成約数 | 207件 | 45件 |
項目 | 2017年12月末 | 2018年9月末 |
---|---|---|
現金 | 98.88億円 | 70.51億円 |
販売用不動産 | 18.47億円 | 149.22億円 |
仕掛販売用不動産 | 13.84億円 | 49.34億円 |
負債合計 | 127.97億円 | 116.48億円 |
株主資本 | 94.62億円 | 251.37億円 |
成約数の激減(207件→45件)&在庫の激増(32億→198億)が起きていますが、これは事件発生時点で織り込み済みでしょう。非常に株主資本の大きな企業です。
2018年11月15日11:50時点の時価総額は395億円です。
これが最も実用的な数字です。決算の内容をいくら分析したところで、市場の評価より当てになる数値は出せません。時価総額(市場評価)を上回る予測ができる天才は、すでに株式投資で数十億~数百億円の利益を上げているはずです。
時価総額から判断すると、市場はTATERUが潰れるとは考えていません。
PBR(株価純資産倍率)も1.57倍程度あります。
事件前は人気のあるソーシャルレンディングサービスだっただけに新規募集停止は非常に残念です。時間をかけて投資家からの信頼を取り戻せることを願っています。
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以前との比較でTATERUの株価が低下しているのは間違いありません。しかしその回復がやや遅れているのには、昨今の株式市場の不安定さ・9月以降は金融庁が不動産関連で地銀への調査を開始している事・東京五輪決定から続いた活発な不動産投資で以前よりも在庫にゆとりが出つつある事・・・なども要因として挙げられるかと思います。
不動産市況自体が鈍化と言う話も聞きますが、上記の要因なども影響した結果、それまでの好況と比較して・・・というものではないでしょうか。依然として大都市圏の地価は上昇傾向です。つまり、以前との比較から得られる印象よりも不動産市況は良いんです。
そしてそれはTATERUについても言える所かと考えています。
TATERUは自己資本比率も高いですし、上記カナメ先生の記事にもある通り、現在の短期的な成約・在庫の数値を見た印象よりも会社としての状態は悪くないと思います。先述の不動産市況と併せて考えても、現段階で潰れるかどうか・・・というのはちょっと気の早い話じゃないかなぁ・・・。