オーナーズブックで延滞している「大阪市中央区ホテル素地第1号第1回」の第6報が出ました。今回は驚くことに「競売申立ての取下げ」の報告です。
競売取下げの理由を解説します。
ファンド名 | 大阪市中央区ホテル素地第1号第1回 |
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利回り | 5.0% |
運用期間 | 19ヶ月 |
投資実行日 | 2019年9月26日 |
最終弁済日 | 2021年3月31日(当初予定) |
募集総額 | 7.5億円 |
運用タイプ | 貸付(シニアローン) |
LTV | 68.2%(当初評価額:11億円) |
・担保の所在地は大阪市中央区日本橋(抵当権第一順位)
・評価額はホテル素地として外部専門家査定額を参考に査定
・総合不動産会社AAの連帯保証あり
2019年09月13日 | ファンド募集開始 |
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2020年01月15日 | 国内で新型コロナ感染者が確認される |
2021年03月31日 | 最終弁済日延長の申出を受託(1年間の延長) |
2021年11月30日 | 国内でオミクロン株感染者が確認される |
2022年01月17日 | 第1報:利息の支払いが無くなった(延滞開始) |
2022年03月24日 | 第2報:弁済期日に元本全額及び利息の支払いが困難 |
2022年04月01日 | 第3報:現在の評価額は7.04億円と発表 |
2022年06月09日 | 第4報:担保不動産競売申立が受理される |
2022年06月10日 | 外国人観光客受け入れ再開 |
2022年07月11日 | 第5報:担保不動産の競売開始決定 |
2022年09月15日 | 第6報:競売申立ての取下げ |
裁判所の不動産処分方法が「敷地を分割処分する方法」であり、オーナーズブックとしては「当該方法では債権回収の最大化を図ることが困難」と判断したためです。
・裁判所としてはより売れやすい方法を選択したい
・オーナーズブックとしては売却額の最大化を図りたい
つまり、両者の目論見が一致しなかったということです。
・東証プライム上場企業の100%子会社が運営
・240件以上の運用ファンドの中で唯一の延滞
・岩野達志社長の経歴から判断(参考記事)
[A] コロナ拡大期に売却をして大幅なマイナスを受け入れる
[B] 何年か我慢して元本回収額を優先する
結果論になってしまいますが、私であれば選択肢Bのほうがありがたいです。
もちろん、損切をしっかり行うこと(選択肢A)を好む人もいます。
また、柔軟な対応を取ることにより、オーナーズブックで融資を受ける企業に対して良い印象を与える(新規顧客が増える)という効果もあります。
ロードスターキャピタルの岩野社長は「ホテル市場は今が買い時」「円安と物価安によりインバウンドの大復活が期待できる」と言っています。
[参考動画] 岩野達志社長/円安でコロナ禍明けのホテル領域が熱い
競売には強制力があるが、任意売却は強制できないことです。
そのあたりも含めて「売却活動の経過」は知りたいところです。
もちろん売却に不利になる情報は伏せていただいて構いません。
全体的には「オーナーズブックの方針に賛同」という内容になりました。
勝手な想像を排除して、事実を整理することを優先したつもりです。
個人的には延滞ファンドについてしっかり調べることで、オーナーズブックに対する信頼性がアップしました。
現時点では「ソーシャルレンディングにおけるメインの投資先」です。
ただし、利回りの低下傾向により投資意欲がやや下がっています。
評価 | A+ | オーナーズブックの公式ホームページ |
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横から失礼します。
コロナ開始~最近までは買い手が少ない(参入には早すぎる)という状況で、ようやく動きはじめたという認識です。
回収額だけを考えればさらに待った方が良いのでしょうが、少しでも早い償還を望む投資家との兼ね合いになるのだと思われます。