2020年2月11日、SBIソーシャルレンディングが不動産バイヤーズローンファンド35号を募集しました。
結果は4時間程度で完売となりましたが、
募集は終わってしまいましたが、今後のファンド購入における判断力を高めるために、バイヤーズローンファンド35号の仕組みをしっかりと理解しておきましょう。
ファンド名 | SBISL不動産バイヤーズローンファンド35号 |
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利回り | 5.5% |
運用期間 | 12ヶ月 |
募集金額 | 12億4,300万円 |
応募開始日 | 2020年2月21日 |
担保 | あり(評価額:5億400万円) |
手数料 | 0.5%(貸付金利6.0%) |
資金使途 | ホテル建設用地の取得資金等 |
返済原資 | ホテル建設用地の売却資金 |
返済方式 | 期日一括 |
借手 | SPC(詳細は投資家限定情報) SBISLとは資本的・人的関係は無い |
場所 | 面積 | 評価額 | 状況 |
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東京都墨田区 | 133.04㎡(40.2坪) | 2億1,200万円 | 退去済建物 |
広島県広島市 | 304.40㎡(92.1坪) | 2億3,200万円 | 更地 |
岐阜県高山市 | 418.00㎡(126.4坪) | 6,000万円 | 更地 |
合計5億400万円の評価額は取引事例比較法により算出した土地価格(7億2,000万円)に70%を乗じた価格です。これは「早期売却を想定した担保処分価値」を表しています。
ホテル事業を前提とした実際の評価額はこれより高くなりますが、投資家保護の観点(監督官庁からの指導)から「融資をおこなってすぐに事業が立ち行かなくなってしまった場合」を想定した数値を公開しています。
収益還元法による土地評価額は以下のようになります(SBISL査定)。
・ホテル想定売上:2億3,100万円/年
・ホテル想定運営費用等:3,800万円/年
・ホテル想定利益:1億9,300万円/年(売上-運営費)
・1億9,300万円×約17年=32億9,600万円(ホテル事業の収益価格)
・32億9,600万円-20億5,300万円(建物工事費等)=12億4,300万円(土地価格)
・前提としてと宿泊料と想定稼働率は適切な設定とする(
つまり、ホテル事業の表面利回りは約5.85%と見積もっています。
以下の検証から妥当な数値だと思われます。
もちろん、想定宿泊料と想定稼働率は適切であることが前提です。
[参考] 目指すべき利回りの目安とは?不動産の種類別に発表(Oh!Ya)
番号 | ファンド名 | 利回り |
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3287 | 星野リゾート・リート投資法人 | 5.00% |
3463 | いちごホテルリート投資法人 | 3.79% |
3472 | 大江戸温泉リート投資法人 | 5.24% |
3478 | 森トラスト・ホテルリート投資法人 | 4.71% |
8963 | インヴィンシブル投資法人 | 6.73% |
8985 | ジャパン・ホテル・リート投資法人 | 5.40% |
土地取得費 | 取引事例比較法の7億2,000万円以上での取得になると予想 |
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建物解体費 | 東京都墨田区の建物を解体&撤去 |
建築確認取得費 | 3ヵ所のホテルの建築計画と確認申請 |
その他諸経費 | 詳細不明 |
ちなみにSBIソーシャルレンディングに確認したところ「多めに募集して外部(購入候補者など)からコストを分からなくする」といった意図は無いそうです。
(1) 企画のクオリティに自信がある
(2) 見込み客のコネクションに自信がある
(3) すでに買い手が決まっている
このようなパターンが考えられます。たしかにマンションにしても建売住宅にしても「売れる自信」があるから次々に建築されているわけです。
要するにプロジェクトファイナンスです。
SPCかつ連帯保証無しなので実質的にノンリコースローンですね。
このプロジェクトが自分が信用する企業(大和ハウス、三菱地所など)であればぜひとも一枚噛ませてもらいたいと思うのですが、プロジェクトを取り仕切る企業や人物が見えないのは不安です。
結局のところ「SBIソーシャルレンディングの判断を信じるかどうか」といういつもの議題になってしまいます。
また、取り分(リスクの対価)の5.5%が妥当なのか分かりませんが、同じように「SBIソーシャルレンディングがそのように判断した」と捉えるしかありません。
分からないことだらけですが少しでも理解を深めていくことに損はありません。
コツコツと少しずつ勉強していきましょう。
評価 | 休止 | SBIソーシャルレンディングの公式ホームページ |
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