少し前までソーシャルレンディング業界の中核を占めていた太陽光発電ファンドですが、グリーンインフラレンディング問題で一気に信頼性が落ちてしまいました。
1社だけの問題で有望なファンドを選択肢から外してしまうのは勿体ないです。そこで、クラウドバンクの太陽光発電ファンドを再評価してみます。
NO | 運用 開始日 |
募集額 (万円) |
利回り | 運用 期間 |
担保 | 保証 | 借手 | 設置 住所 |
買取 単価 |
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350号 | 2018年 8月21日 | 3,000 | 6.8% | 4ヶ月 | ○ | × | AH社 | 三重 | 32円 |
315号 | 2018年 6月15日 | 3,000 | 6.8% | 6ヶ月 | ○ | ○ | Q社 | 長野 | 36円 |
270号 | 2018年 4月16日 | 5,000 | 6.4% | 7ヶ月 | ○ | ○ | AO社 | 岐阜 | 32円 |
210号 | 2017年 12月22日 | 2,700 | 7.2% | 9ヶ月 | ○ | × | Y社 SPC | - | - |
150号 | 2017年 11月9日 | 2,900 | 6.2% | 5ヶ月 | ○ | ○ | AK社 SPC | - | - |
募集時期が近い案件は同一の借り手です。例えば339~375号はAH社でした。
表を見ると様々な借り手に融資していることが分かります。ただし、会社名(識別名)が異なっても、それらの会社同士の関係性までは分かりません。
太陽光発電が儲かるビジネスであることは周知の事実です。20年間の電力買取価格を国が約束してくれるのですから当然です。開発に携われる人(主に高所得者)だけが得をする「逆進性」が批判されているほどです。
しかし、下記表を見ると分かるように、買取価格(FIT価格)は年々下がっています。ソーシャルレンディングでの太陽光発電案件もどんどん減っていくことでしょう。
電力買取価格の推移 | |
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2012年 | 40円 |
2013年 | 36円 |
2014年 | 32円 |
2015年 | 29円 |
2016年 | 24円 |
2017年 | 21円 |
電力買取価格は認定が通った年が基準となります。そのため、認定取り消しの期間までは、出来るだけ開発を遅らせて、太陽光パネル価格下落を待つのが定石とされています。
・銀行は新しいものに対する融資に消極的(リスクが不明瞭)
・土地が担保にならない(評価額が低い)
・実績のない借り手が多い
・買取価格(FIT価格)が下がっている
このような理由から「一般の銀行から太陽光発電に対する融資を受けるのは極めて難しい」と言われています。
・周辺住民の反対
・許認可が通らない
・機械の故障
・災害(台風、落雷)
・近隣樹木によるトラブル(樹木の影で発電効率が落ちる)
担保となるのは「土地」「装置類」「経産省認定ID」です。これらは不動産に比べると保全性が低いため、事業性資金ローンの色合いが強いファンドと言えます。
ビジネスとしては「国の買取保証」のおかげで極めて勝算の高いものです。よほど杜撰な経営をしているか、災害被害に遭うなどがない限りは大丈夫です。
リスクとリターン(6.5~7.0%)のバランスを考慮すると、「真っ当な借り手」であれば十分に魅力的な融資先です。実際に私もクラウドバンクとSBISLの太陽光案件に投資しています。
ただし、比較的高利回りの案件に該当する(=リスクが高い)ため、投資比率を大きくしすぎないように注意してください。
評価 | A | クラウドバンクの公式ホームページ |
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