2021年8月23日にクラウドクレジットがカメルーンファンドの回収活動終了を発表しました。これによりカメルーンファンドのデフォルトが確定となりました。
詳細について解説していきます。
・カメルーン・ファンド2021年8月時点の状況(公式・PDF)
・クラウドクレジットのカメルーン案件で大規模デフォルト(2020年3月の記事)
・カメルーン中小企業支援プロジェクト25号
・カメルーン農業支援ファンド8号
ファンド名 | カメルーン中小企業支援プロジェクト、カメルーン農業支援ファンド |
---|---|
総募集額 | 13.1億円(実際の運用額とは異なる) |
平均利回り | 11.8% |
募集時期 | 2016年=22本、2017年=22本、2018年=6本 |
内容 | トレードファイナンス取引への投資 |
当該ファンドのビジネスパートナーであるOvamba社の認識は以下の通りです。
状況を認識しやすくするために1ユーロ125円に換算して表示しています。
項目 | 金額 |
---|---|
①Ovamba社グループの借入金額 | 12.50億円 |
②完済したトレードファイナンス取引による利益 | 0.36億円 |
③カメルーンにおけるトレードファイナンス取引の貸倒金額 | 2.79億円 |
④Ovamba社グループのこれまでの返済済み金額 | 7.40億円 |
⑤トレードファイナンス取引の回収費用 | 2.14億円 |
①認識相違なし
②コメントなし
③取引自体(または貸倒れ)が架空だったという証拠を当社では検知せず
④認識相違なし
⑤納得しづらい点あり&証拠を請求するも提出されていない
Ovamba社からの償還率は約62%です。
ただし、一律ではないので大きく毀損している方は特に納得できない状況です。
トレードファイナンス取引の貸し倒れについては妥当性があるという結果です。
・米国ニューヨーク州法における当社の顧問法律事務所
・エストニア法における法務顧問弁護士(CCエストニアグループの共同代表)
上記2者と協議を重ねた結果の判断とのことです。
コストと期待回収額を考慮して法的措置を取ることを断念したという結果です。
時期 | 期間 | 募集総額 |
---|---|---|
前期 | 2016年3月~2017年4月 | 7億2,800万円 |
後期 | 2017年10月~2018年2月 | 5億8,550万円 |
販売中断の理由であった、現地の提携会社であるOvamba社における運用体制の改善がなされ、信用リスク管理、実質担保物である商品在庫管理及び資金需要者からの回収業務の品質に一定の向上が見られたことを運用担当者が現地訪問を通じて確認できたことから再販の運びとなりました。
新興国でのハイリスク投資なので一定の損失は仕方ないところもありますが、販売再開したことで後期に投資した方が割を食った形になりました。
トレードファイナンス取引が全くうまくいかなかった(約2.79億円の貸倒)うえに、回収費用として大金(約2.14億円)を取られてしまう結果となりました。
投資家 → maneo → グリフラ
投資家 → maneo → キャッシュフローファイナンス → A社など
投資家 → クラウドクレジット → Ovamba社
どれも似たような構図になっています。
特にOvamba社は海外にあるので監視がしづらいスキームです。
融資ビジネスは「所在地の明確な不動産担保」といった確固たる裏付けがないと本当に難しいのだと感じます。
クラウドクレジットは不動産クラファンや不動産担保付きソーシャルレンディングに比べて、非常に難しいことに挑戦しています。全体としてプラスを維持できるように頑張ってほしいと思います。
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Ovambaグループを統括するのはアメリカのOvamba Solutions Inc. で2013年4月に設立されています。Ovamba社はカメルーンのドゥアラで2014年6月よりサービスを開始しており、小売・資源・農業・インフラに関連する業者への与信審査のノウハウを蓄積しております。