シンガポールに本社を持ちアジア・太平洋地域を中心に広告代理業を営むベンチャー企業(U社)へ融資を行うファンドです。クラウドクレジットでは2018年11月12日から募集を開始しました。
※Crowdcredit Estonia OÜはクラウドクレジットのグループ会社。
※案件2としてP2Pレンディングプラットフォーム「Minsos」に少額投資。
U社は2013年に設立されたベンチャー企業です。「シンガポールの大手企業を主要顧客にしているマーケティング企業の創業者」と「WEBサイト構築やデジタルマーケティングを手掛けているIT企業の創業者」の2人がタッグを組んで生まれました。
U社の強みはASEAN主要6ヵ国において、高いレベルでのマーケティングノウハウを有している点です。各国の異なる文化・宗教・言語・志向を深く理解することで、ターゲットユーザーへのアプローチを細かく行うことができます。
現在のU社はASEAN圏の7ヵ国および米国の10か所に事務所を展開しており、合計で150名の社員が働くほどに拡大しています。また、顧客維持率は90%を上回っており、高い顧客満足度を得ていることが分かります。
拡大路線による赤字が続いていたU社ですが、2018年1~6月期には黒字転換し、今後も黒字を維持していくことが見込まれています。
地場金融機関は黒字転換してから日が浅いU社への融資に対して慎重な姿勢を取っている状況です。クラウドクレジットはこれを好機と捉え、金利13.0%+アレンジメント料1%でU社に融資を行います。
今後、黒字期間が長くなるにつれ、地場金融機関からの評価が改善される可能性が高く、借り換えによる期限前返済を懸念しています。
そのため、対策として「12ヶ月以内の期限前返済を禁止」、さらに「13カ月目以降に期限前返済を行う場合、U社は貸付元本の2%を期限前返済手数料として支払う」という契約を結んでいます。その手数料は投資家に支払われます。
ファンド | 貸付 通貨 | 期待 利回り | 運用 期間 | 年換算 手数料 | 募集 開始 |
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1号 | 米ドル | 7.9% | 25ヶ月 | 1.9% | 11月12日 |
エリア | 目安 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
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日本 | 1.00% | 2.76 | 0.79 | -0.11 | 0.47 | 1.12 |
アメリカ | 2.00% | 1.61 | 0.12 | 1.27 | 2.14 | 2.40 |
インフレ率は「1年間で通貨の価値がどれだけ下がるか?」を表しています。
必ずしも為替変動と同期するわけではありませんが、非常に重要な指標です。
7.9% - (2.0% - 1.0%) = [6.9%]
実質的な期待利回りは6.7%だと考えます。
この水準の利回りで国内ファンドだと以下のような選択肢になります。
(1) 資金を必要としている中小企業ファンド
(2) 不動産ファンド(開発系・転売系)
(3) 再生可能エネルギーファンド(太陽光、バイオマスなど)
これらの国内ファンドと「海外の成長ベンチャー企業への融資」を比較することになりますが、非常に難しいところです。
「多国籍企業(シンガポール本社)」「米ドル投資」という点でクラウドクレジットの中では低リスク寄りのファンドです。さらに「12ヶ月以内の期限前返済を禁止」としていることからも、借手企業を非常に高く評価している様子が伺えます。
これらの要素から「投資するに値する」と判断しましたが、全損しても対応できるように資産の3%以下を目安にします。
上グラフは10年分の「米ドル/円」のチャートです。
5年期間ぐらいで見ると110円を中心に推移していることが分かります。
本質的には「チャートを見たところで為替変動は予想できない」と考えてください。そんなことが出来るのならFXなどであっと言う間に大金持ちになれます。
評価 | B | クラウドクレジットの公式ホームページ |
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