ジョージア、ウクライナ、スペイン、カザフスタンで「ペイデイローン」を提供する金融持株会社(M社)へ融資を行うファンドです。クラウドクレジットでは2018年7月から募集を開始した、新しいファンドです。
※Crowdcredit Estonia OÜはクラウドクレジットのグループ会社。
※案件2としてP2Pレンディングプラットフォーム「Minsos」に少額投資。
M社は2012年にジョージアで創業した企業です。オンラインで消費者向けにペイデイローンと呼ばれる短期小口融資サービスを主に提供しています。「AIの活用により約10分で与信判断を行う」という利便性の高いサービスを特徴としており、累計貸付件数はグループ全体で60万件に達し、リピーター率は83%を超えています。
2012年にジョージア、2015年にカザフスタン、2016年にウクライナとスペインでビジネスを展開しており。2018年にはデンマークでの営業を開始する予定です。
順調な拡大は保守的な経営方針を下支えにしています。60日以上延滞した債権については不良債権と見なし、外部業者に回収委託することでリスクを軽減しています。
ペイデイローンとは次の給料日に受け取る給与を実質的な担保にするローンです。アメリカでは「期間2週間以内・実質金利数百%」という信じられないような高金利で貸付が行われています。
貯金の無い低所得者をターゲットにしており、最初は臨時支出時の便利なサービスとして利用しますが、すぐにリピーターとして習慣化する傾向があります。
アメリカでは2016年6月に連邦規制当局がペイデイローンの利用を大幅に抑制する規則案を発表しています。また、同時期にGoogleがペイデイローン関連広告の出稿禁止を発表しています。
有識者からは「低所得者から搾取するシステム」と判断されていますが、便利なサービスとして利用している人が多い点も事実ではあります。
ユーラシア個人向け小口融資事業者支援ファンド1号(運用期間31ヶ月)の募集開始が2018年7月11日なので、償還済みとなったファンドはまだ1件もありません。
ファンド | 貸付 通貨 | 期待 利回り | 運用 期間 | 年換算 手数料 | 募集 開始 |
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6号 | ユーロ | 10.4% | 31ヶ月 | 1.9% | 9月25日 |
5号 | ユーロ | 10.6% | 31ヶ月 | 1.7% | 9月10日 |
4号 | ユーロ | 10.5% | 31ヶ月 | 1.7% | 8月28日 |
3号 | ユーロ | 10.6% | 31ヶ月 | 1.7% | 8月13日 |
2号 | ユーロ | 10.5% | 31ヶ月 | 1.7% | 7月26日 |
1号 | ユーロ | 10.6% | 31ヶ月 | 1.6% | 7月11日 |
エリア | 目安 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
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日本 | 1.00% | 2.76 | 0.79 | -0.11 | 0.47 | 1.12 | ドイツ | 1.00% | 0.77 | 0.13 | 0.37 | 1.72 | 1.63 |
ユーロ圏 | 1.50% | - | - | - | - | - |
インフレ率は「1年間で通貨の価値がどれだけ下がるか?」を表しています。
必ずしも為替変動と同期するわけではありませんが、非常に重要な指標です。
10.5% - (1.5% - 1.0%) = [10.0%]
実質的な期待利回りは10.0%だと考えます。
非常に魅力的な利回りです。
ペイデイローンの法規制が心配ですが、複数国で展開しているため短期的なリスクは抑えられています。ただ、運用期間31ヶ月はずいぶんと長く感じます。
クラウドクレジットの主力ファンドである「東欧金融事業者支援ファンド」と比較すると利回りがの差が僅かでありながら、返還実績、ビジネスモデル、運用期間、企業信頼度などで劣ります。
リスクの高さが気になるところですが、利回りを考えると投資するのはアリです。
全損しても対応できるように集中投資は絶対に避けてください。
上グラフは10年分の「ユーロ/円」のチャートです。本日は1ユーロ131.2円なので変動の波の真ん中あたりですね。移動平均線(緑5日間、赤25日間、青75日間)も妥当な水準であることを示しています。
とは言え、本質的には「チャートを見たところで為替変動は予想できない」と考えてください。そんなことが出来るのならFXなどであっと言う間に大金持ちになれます。
クラウドクレジットでは「償還時のリターン予想」というページで期待リターンマップを公開しています。毎月更新されているので、投資する際は必ずチェックしておきましょう。アイコンが黄色い顔(ファンド販売時のものと同じ水準を見込める)であればOKです。
※2018年8月末時点の期待リターンマップにはまだ「ユーラシア個人向け小口融資事業者支援ファンド」は記載されていません。
評価 | B | クラウドクレジットの公式ホームページ |
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