クラウドクレジットの「インドネシア中小企業支援ファンド3号《貸付条件変動型》」へ投資しました。実際にCROWDOのアカウントを作って、個別案件を覗いてみました。
まず、「インドネシア中小企業支援ファンド」の投資スキームを説明します。私たち投資家の出資金はクラウドクレジット社のエストニア子会社(Crowdcredit Estonia OÜ)を通じてインドネシアのCROWDOグループ(PT MEDIATOR KOMUNITAS INDONESIA)へ送金されます。そして、CROWDOグループがインドネシア国内の中小企業へ貸付を行います。
CROWDOグループはインドネシアのフィンテック企業で、インドネシアやマレーシア、シンガポールで「CROWDO」というpeer-to-business貸付のオンラインプラットフォームを運営しています。世界に38,000人を超える投資家網をもち、2013年のサービス開始以来、3,500以上のプロジェクトを実行してきた実績があります。ちなみに、CROWDOグループの共同創業者兼CEOの嶋田さんはマッキンゼーで8年のキャリアを積んだ超エリート日本人(写真右手前の方)です。
次に「インドネシア中小企業支援ファンド」の概要を解説します。実はこのファンド、現時点では期待利回り「変動型」、運用期間「最長25か月」という記載のみです。つまり、具体的な利回りと運用期間は「CROWDO」内での案件毎の貸付条件に委ねられます。以下の「事業適合基準」を満たした案件が今回の投資対象です。3-6か月満期の案件を中心に貸付実行をし、運用開始から12ヵ月以内に返済された資金は再投資を行います。
基準 | 内容 |
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貸付の種類 | インドネシア共和国の中小企業への貸付 |
貸付の対象国 | インドネシア共和国 |
貸付利率 | 12.0%~32.0%(※) |
返済期間 | 1ヶ月~13ヶ月 |
以上から、「インドネシア中小企業支援ファンド」の成否は「CROWDOでの運用結果次第」ということになります。気になったので、「CROWDO」のアカウントを作成して、現時点での案件を確認してみました。いくつかピックアップして概要を記述します。
貸付金額 | 【4案件合計】IDR 805,800,000(約633万円) |
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貸付利率 | 18% |
返済期間 | 2か月/3か月 |
借り手 | 2014年創業の運輸企業。企業に勤める従業員のピックアップサービスを提供。社員数は50人。3年以上の実務経験をもつドライバーで、広範囲の運輸ネットワークを構築。近年は同業種の多国籍企業や信頼できる地元企業との協力体制を構築し、オペレーションを分担。 |
財務情報 | 【直近会計年度(2018年12月期)】売上高:約6451万円、純利益:約1289万円(純利益率:約20%)資産:約4764万円、負債:約3345万円、純資産:約1419万円 |
貸付金額 | 【3案件合計】IDR 812,000,000(約638万円) |
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貸付利率 | 17% |
返済期間 | 12か月 |
借り手 | 1994年に設立、2008年に法人化された消費者金融企業。中古バイク・中古自動車に特化した個人向けファイナンス。社員数は250人。インドネシア国内広範囲に40以上の支店をもつ。2018年に5万台以上のバイク/自動車のファイナンスを達成して、持続的な成長を見据えている。 |
財務情報 | 【直近会計年度(2018年12月期)】売上高:約37億4251万円、純損失:▲約5億9651万円(純利益率:-約15.9%)※前年度の純利益:約4億3664万円資産:約82億9934万円、負債:約59億7422万円、純資産:約23億2511万円 |
貸付金額 | 【3案件合計】IDR 1,500,000,000(約1180万円) |
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貸付利率 | 15% |
返済期間 | 3か月 |
借り手 | 2012年創業のeコマース企業。社員数は250人。母子用品に特化したオンラインマーケットプレイスの運営。母子用品のeコマース分野ではマーケットリーダー。 |
財務情報 | 【直近会計年度(2018年12月期)】売上高:約6253万円、純損失:▲約6億2564万円(純利益率:-約1000%)資産:約2億1057万円、負債:約26億1408万円、純資産:▲約24億2032万円※B/S上の債務超過の大きな原因は「株式転換型の貸付」で、将来は株主資本へ振替えられる見込み。 |
以上がクラウドクレジットの「インドネシア中小企業支援ファンド3号《貸付条件変動型》」の調査内容です。CROWDOのプラットフォームを覗いてみると、様々な案件がありました。eコマース企業の財務情報は驚きの内容でしたが、2015/2016年のデータをみると、インドネシアの出生率は2.44、年間の出生数はおよそ1600万人です(日本のおよそ2倍)【参考記事】。大きな成長を見込まれた企業だと推測できます。
「インドネシア中小企業支援ファンド」では、当然CROWDO内での分散投資が大前提となると思うので、今後も経済成長が期待できるインドネシアへ投資できる良い機会だと私は考えました。少額ですが、30,000円の投資実行です。進捗があれば報告します。