2019年5月にマネーフォワード社から法人向けオンライン融資サービス「Money Forward BizAccel」がリリースされました。この種のサービスは伝統的な融資手段との対比で、オルタナティブレンディングと呼ばれます。
近年急成長をみせる「オルタナティブレンディング」について解説します。
オルタナティブレンディング(alternative lending)とは、既存の金融機関が行う伝統的な融資方法とは異なる、新しい方法で行なう融資を指す言葉です。オルタナティブとは、英語で「代替手段」「代わりのもの」という意味です。
そして、ソーシャルレンディングもこのオルタナティブレンディングの一例です。
私は企業経理に関わる立場として、最近特にこの類の資金調達方法を目にする機会が増えてきました。今回はこのオルタナティブレンディングの特徴についてまとめます。
預金の預け入れ機能をもたないノンバンクが行なう事が多い融資手段です。融資対象は中小企業や個人が多いという特徴があります。
近年アメリカでは急成長しているマーケットです。2017年の市場規模は428億1000万米ドルと、日本円換算で4兆円を超えています。今後、日本でも同様に拡大すると考えられます。
アメリカの小企業の融資承認率のデータ比較です。既存の大手銀行では借り手の4社中3社は融資を断られます。より借り手に近い距離で生の情報に触れやすい中小銀行や信用組合だとしても、様々な規制に縛られ、既存のやり方に依存する為に、50%弱の融資承認率です。そんな中で、オルタナティブレンダーからの融資承認率は55%-60%、2社に1社は審査を通過しています。
オルタナティブレンディングはオンラインで完結する事が多いです。この背景には、独自のアルゴリズムを用いた審査があり、例えばソーシャルメディア情報といった非伝統的なデータを考慮する等、日々新しい審査の仕組みを取り入れています。
以上のように、オルタナティブレンディングは、新たな融資手法を確立する事で、既存の大手金融機関がターゲットとしなかった層に対して融資を拡大しています。
サービス名 | Money Forward BizAccel |
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概要 | 会計・請求書データなどを活用したオンライン融資サービス。「決算書、登記簿謄本といった紙書類の提出は不要」、「保証人や担保は不要」、「スピーディーな入金」などが特徴。 |
サービス名 | LENDY |
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概要 | オンラインで完結するスモールビジネスローン。「Money Forwardクラウドやfreee等のクラウド会計ソフト」、「Amazonや楽天等のECプラットフォーム」とデータ連携する事で融資条件が改善されます。LENDYはFundsのファンド組成企業です【詳細はコチラ】。 |
サービス名 | J.Score(ジェイスコア) |
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概要 | 日本初の人工知能を使った個人向けAIスコア・レンディングサービス。簡単な質問への回答と、SNSや購買履歴データ等を連携させる事で、自身の信用力と可能性がスコア化されます。 |
「企業/個人がお金を借りる為には、銀行へ行く」という考え自体が過去のものになりつつあります。特に企業の資金調達の選択肢が増える事は日本経済が発展していくためには非常に望ましい事です。
ちなみに、ソーシャルレンディングを通して、国内外のオルタナティブレンディング業者への投資が可能です。ご参考にしてください。
【参考】