クラウドクレジット「東欧金融事業者支援ファンド」の東欧金融事業者(A社)グループを調査しました。グループ概要やサービス内容、業績データなど具体的な情報を紹介します。
東欧金融事業者(A社)グループはCreamfinanceグループです。Creamfinanceグループは、2012年に【CEO】Matiss Ansviesulisさん(写真左)と【Chairman】Davis Baronsさん(写真中央)によってラトビアで設立されました。2015年にポーランド・ワルシャワへ本社移転しています。写真右は【COO】Patrick Koeckさんです。
そして、15ヶ国の国籍で構成される総勢304名のメンバーが、サービス展開する7カ国とITオフィスを置くオーストリアの計8カ国で勤務しています。
「Make Money Available」をミッションに掲げて、便利に素早くオンラインローンが利用できるサービスを7カ国で展開しています。スピーディで正確なスコアリングを実現するために、精緻なアルゴリズムと機械学習を活用しながら個々人にカスタマイズされたローンをつくるオペレーションを構築しています。最終的には「Amazonのようなワンクリック」でローンを提供することを目標としているそうです。
Creamfinanceグループの公開資料によると、平均スコアリングタイムは50秒である一方で、貸倒率は6-8%(競合他社より約20%優る)に抑えられているそうです。
主要な顧客は「①平均年齢25〜40歳(大学卒・会社員)」「②平均月収500〜800ユーロ」「③日常的にインターネットを使用」「④借入理由:給与支給までの資金不足」などの特徴があるそうです。
主力サービスは「LendOn」「CreditOn」ブランドです。実際にサイトを確認しましたが、ローン申込みまでの動線が非常に短く、とてもシンプルなサイト設計でした。スピーディなローン借入が可能な印象です。
その他にも女性向けブランドがいくつかあり、ターゲットが明確です。
2014年 | FinTechとモバイル技術に特化した、シリコンバレーのベンチャーキャピタルファンド「Flint Capital Fund」から5百万ユーロの出資を受ける |
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2017年 | 南アフリカ共和国の大手銀行「Capitec」から21百万ユーロの出資を受ける |
増資以外にも、Mintosのマーケットを通じた借入やワルシャワ証券取引所での社債発行なども行っています。
最後に財務情報です。もの凄い勢いで成長しています。2015年から2017年の2年間で、収益が約4倍、EBITDAが約3倍です。
- | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年(予測) |
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貸出総額 | 約75.6億円 | 約126.4億円 | 約166.1億円 | 約220.7億円 |
収益 | 約13.6億円 | 約37.2億円 | 約54.5億円 | 約81.8億円 |
EBITDA | 約3.7億円 | 約10.5億円 | 約11.6億円 | 約19.8億円 | 利益率 | 28% | 28% | 21% | 24% |
以上がクラウドクレジットの人気ファンド「東欧金融事業者支援ファンド」のCreamfinanceグループの概要です。
Creamfinanceグループの公開資料によると、直近のローン件数予測は38万件/年です。今後は、消費者向け金融サービスへアクセスできていない全世界の40億人のうち「2000万人規模の成長マーケットで、そのうち65%へ自社サービスがリーチできる可能性のあるマーケット」へ集中する戦略をとる記載がありました。そして、今後3〜5年でさらに1億8千万人の顧客獲得を目指すそうです。
引き続き情報をおいかけてみようと思います。
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